「その兄妹の家族を見て、お互いを思いやる心にもふれることができました。私の父と母も同じように子供である私のことをいつも思い、大切にしてくれていたことを感じることができました。それまでに出会った様々な人たちに私は“美しいもの”をたくさん与えてもらったような気がするのです。いつもと同じ夕日もそんな温かい気持ちで見ると、どんな宝石の輝きよりも美しく、心に染みるものでした」
シオン姫は微笑むと、ゆっくりと思い出すように言いました。
「美しいものを感じる心、この“心”が一番美しくなければ、

世界は狭く、目の前にあるものでさえ感動できなくなってしまうような気がしました」

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