手紙をあっという間に読み終えてシオン姫は少し考え込んだ後、急にくすくす笑いだすとこう言いました。「こんな面白いお手紙はきっとルーマー王子のしわざですね、大変だわ!お父さまにお願いしなくては」
シオン姫は今にも転びそうなレイク夫人の手を取って階段を下へ下へとかけ降りました。

「もう目が回ってしまいましたよ」
「これからとても忙しくなるわ!まず馬を用意しなくちゃ」


レイク夫人はふらふらになった足をふんばって聞き返しました。「なぜ馬が必要なんです?」
「だって国一番美しいものを、と手紙に書いてあったのだもの。探しに行かなくちゃ」

「何を言っているんです。シオン様、王妃様がおっしゃっておりました。このラメール王国で一番美しいものはきまっています。王様のプレゼントには我が国自慢の、真珠の飾りが一番です」レイク夫人はそういうとシオン姫の手を取って国王と王妃のいる広間に連れていきました。


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