シオン姫はラメール国王の娘です。国王と王妃にはシオン姫と兄である王子のふたりの子供がありました。
シオン姫はすらりとのびた手足を伸ばしてレイク夫人に走り寄ると、海のように深い青い瞳をきらきらさせながら手紙を読み始めました。

国王譲りの漆黒の闇のような美しく長い黒髪が、窓から入るやさしい風にさらさらと揺らされていました。
そんな時レイク夫人はいつも思うのです。


「こんなにかわいらしい姫さまはどこを探してもいませんよ」「ただもう少し姫さまらしくして下さるとよいのだけれど」

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