それを見て男の子は呼び鐘を思いきり叩きました。それでも誰も出てくる気配がないので、男の子は何回も何回も叩きました。
その音に驚いて、通りかかった人たちが門の前に集まってきました。
「どうしたの?」その中からふたりの少年が声をかけてきました。

ひとりはすらりと背が高く、蜂蜜色巻き毛でグリーンの瞳、もうひとりは赤い巻き毛で茶色の瞳の少年でした。
シオン姫がふたりに今までのことを話すと、背の高い少年は、泣きだしてしまった女の子に向かってこう言いました。
「中に入っちゃおうか」
ふたりの少年は目を見合わせて微笑むと手馴れた感じで、あっという間に屋敷の周りに張り巡らせた高い鉄柵を上りました。シオン姫も二人に続いて鉄柵を上り、三人は屋敷の中に入りました。

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