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「なんだ?こんな朝早くから!」
神経質そうな小柄の男が、怒鳴りながら近づいてきて言いました。
「あの、こちらに南の港町から来たお医者様がいませんか?」男の子は緊張して男に聞きました。
小柄の男は門の前に立つ三人をじろじろと見るとこう言いました。
「医者ならいるがお前達を通すわけにはいかん」
「そんなひどい!せめてお医者様に会わせて下さい」
シオン姫は小柄の男をにらみ付けて言いました。
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フン、と鼻を鳴らすと小柄な男は三人に背を向け奥にある小屋に帰っていきました。
「待って!お医者様を呼んで!お願いよ!」大きな声で女の子が叫びました。
それでも小柄な男は振り返りませんでした。 |
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