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「僕が妹にもっとちゃんと説明してやれば、こんな無茶をして勝手に付いてきたりしなかったんです…」
男の子は深いため息をついて言いました。
「二人で歩いて行くうちに…妹は小さいから歩くのが遅くなってしまって、そのうち辺りが暗くなり、とうとう東側にぬける目印の小道を見失って仕方なくここにいたんです」
「僕はちょっとしか食べ物を持ってこなかったし、あと持っているものといったら手持ちランプをつけるためのマッチだけだったんです」
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シオン姫は小さなたき火のまわりを見回しました。すぐ横には小さなランプと、たくさんの小枝がおいてありました。
シオン姫は男の子に言いました。
「取りあえず日が昇るまでここで休みましょう。それから東の港町に向かいましょう!」「でも、休んでいる暇なんか…」と男の子が言いかけると、シオン姫は男の子に毛布を掛けながら、「彼が『東の港町までは一瞬で行ける』と言っているよ」と言って、うしろの木の陰に立っている白馬の方を指さしました。 |
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