シオン姫はふたりの近くにそっと座って答えました。
「お城のシオン姫の命令で“この国で一番美しいもの”を探している者です」
シオン姫が、わざとうやうやしく、大げさに答えたので兄妹は急におかしくなって顔を見合わせてにっこり微笑みました。
シオン姫は、それを見てほっとしたように微笑むと、かばんの中からビスケットをだして女の子に差し出しました。
「私もちょうどお腹が空いたところです。
一緒に少し遅い夕食をいただきませんか?」
Copyright (C) TYKK 2000. All Rights Reserved.