「まるで星が降ってきたみたい」シオン姫はため息混じりに言いました。
白馬はシオン姫が夜の森の様々な動物と出会えるように、しずかにゆっくりと歩いて行きました。
夜の森はとても神秘的で、どこか秘密めいた雰囲気でした。

シオン姫は白馬の上から木の陰や、草むらの中をじっと目を凝らして見ていました。目が馴れてくると、うずくまって眠る鹿の親子や、銀色に目をきらきらさせて、忍び足で歩き回る山猫が見えてきました。


シオン姫はなるべく音を立てないようにしていました。白馬の歩みは一定のリズムでゆっくり進んでいたので、いつの間にか森の呼吸と一体化しているようでした。


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