「大臣が書いた手紙なら各国の自慢の品をとか、美しい宝石をとか、もっと大臣らしい判りやすい文章だと思います。しかもサン国王様がそのようなのもを喜ぶはずがありません」

「たしかにサン国王は、そのような宝のものには興味がないと言うのは有名な話だ」
シオン姫は国王にこう言いました。「だからむずかしいのです。サン国王様が喜んで下さり、ルーマー王子がびっくりするようなものでなければ、意味がないわ」


「ですからお父さま、私に馬を一頭、用意していただけませんか。私は急いで探さなくてはならないのです」

しばらく考え込んでいたラメール国王は、にっこり微笑むとシオン姫にこう言いました。「豪華なドレスより、一頭の馬が今のお前には必要なのだね」そういうと中庭を指さしてこう言いました。
「あの白い馬に乗って行きなさい。あれはとても頭のいい馬だ。きっとお前の役にたつであろう」


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