サン国王は、この少女から、くだらない贈り物や、つまらない自慢など、がっかりした言葉を聞きたくないというような気持ちでいっぱいになりました。

少女はにっこり微笑むと澄んだ美しい声で言いました。
「サン国王様この度はおめでとうございます。私はラメール王国の娘、シオンと申します。国王様よりの書状に記してございました“国一番の美しいもの”をお持ちいたしました」
「まさかその白馬のことですか?!」
大臣があきれた顔で聞くと、


少女は微笑みながらいいました。
「いいえ、馬でも、宝石でもございません。国王様に差し上げる品物はございません…。なぜなら国王様は一番美しいものをもうお持ちですから」
サン国王は身を乗り出して聞きました。「なぜ、そう思うのだね?」

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