気がつくと辺りは美しい夕日が放つオレンジ色の光に包まれていました。海の地平線にゆっくりと沈んでゆく太陽を、シオン姫はいつまでも見つめていました。
夕日が沈んで辺りがすっかり暗くなると、闇の中にお城の暖かい灯が、ぼんやりと浮かび上がりました。
シオン姫はふんわりと誰かに抱きしめられたような気持ちになりました。
そしてなぜか涙が溢れてくるのです。
「…さあ、帰ろうか!」
そう言うとシオン姫は白馬に跨がりお城にむかって走り出しました。

お城ではレイク夫人が暖かいスープを用意して待っていました。
国王も王妃もシオン姫をやさしく抱きしめました。
「おかえりなさい」

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