太陽は頭上高く上り、町は昼の買い物の人でにぎやかになっていました。
シオン姫は、港町をぬけて黄色や桃色の花畑の道をまっすぐ進むと、お城が建っている丘が見える海岸に出ました。お城は太陽の光を浴びてきらきらと光っていました。

「私は見つけられたのかしら…」

シオン姫はしばらくの間、ふんわりとした草の上に腰を下ろすと青く輝く海と、南側に見えるサン王国の美しい森を見つめていました。


「私は見つけたわ。『美しいもの』は今私の中ある。でも私が見つけることができたこの素晴らしい、“この国で一番美しいもの”をサン国王になんて説明すればいいのかしら!」

back index next

Copyright (C) TYKK 2000. All Rights Reserved.