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シオン姫は少年二人をを見送ると、白馬を連れて屋敷の門の前に戻りました。
しばらくすると、屋敷の中から背の高い医者がいそいで出てきました。
「さあ、ずいぶん待たせてしまったね、この裏に私の馬車が用意してあるから、それに乗って行きましょう」
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「先生!待って下さい!」
屋敷の中から薄桃色のドレスの夫人が出てきました。
「うちの坊やを見捨ててどこへ行かれるのですか?」
その言葉に背の高い医者はびっくりして言いました。
「あなたの息子さんは軽い風邪です。熱もありませんし、先程お渡しした薬をきちんと飲んで、安静にしていればすぐになおりますよ。もう心配はありません。どうしても心配でしたらこの町のお医者さんに看てもらって下さい。」 |
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