「よかったね」
門を閉めながら、赤毛の少年が言いました。
「ぼくたちはこれから市場に買い物に行かなきゃいけないから、そろそろ行くね」
背の高い少年はシオン姫に向かってこう聞きました。
「君はどうするの?」
「私は兄妹と一緒に先生を連れて南の港町まで行きます」
「南の港町にはなにかあるの?」
赤毛の少年は小さい広場に止めてある馬車の馬を撫でながら聞きました。

シオン姫は少し考えてから言いました。
「この国でいちばん美しいものを探しているんだけど…」
「それって何だかわかんないの?大変だね」
赤毛の少年は不思議そうな顔をして聞きました。
「うん、でも大丈夫!」
シオン姫は笑いながら答えました。

「君ならきっと見つけられるよ!何たって、僕らと一緒にあんな高い門を乗り越えたんだし!」


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