食べ終わると少女は疲れていたのか、シオン姫のマントにくるまったまま眠ってしまいました。
「ごちそうさまでした」
男の子はシオン姫に言いました。
「なぜこんなところに二人きりでいたの?」
シオン姫は小さな声で男の子に聞きました。男の子はしばらくたき火を見ていましたが、ゆっくりと話を始めました。

「僕たち兄妹はこの森の南側にある港町に一週間前に丸3日もかけて、


船に乗ってやって来たのです」
「僕たちの母さんは病気で、この国に良いお医者さんがいると聞いた父さんは、そのお医者さんに診てもらうために、母さんと僕たちを連れてこの国にやって来たのです」

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